幽霊の思い出話

 車へと戻り、携帯を広げた。

「さーってと、芹沢さんについて調べよっか」

 そう言って携帯を取り出した。

「真沙美、今日はもう遅くなってきた。明日にしよう」

「・・・そうだね。もう暗くなってきたね」

「これ以上運転はきついだろう。どこかで休むといいさ」

「うん。でも、行き先だけははっきりしておきたいからちょっとだけ、待って。調べてみる」

 もう一度持っていた携帯に目を向けた。

 芹沢鴨、最後。そう検索した。

「左之、芹沢さんのお墓あるよ」

「どこだ?」

「京都府京都市にある・・・あっ」

「どうした?」

「京都にある壬生寺って」

「壬生?壬生浪士組の壬生か?」

「分からない。でも、字は一緒」

 お互い驚いた顔をしていた。
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