幽霊の思い出話

「でもさ、色んなところを見たんでしょう?何か気になることなかったの?」

 信号が青に変わり、前の車がゆっくりと発進した。

「うーん。・・・あ、あれは気になった」

「あれ?」

「動物園だっけ?生き物のいっぱい居る」

「うん、それ動物園。なんで動物園が気になったの?左之の生きていた時代にはなかったの?」

「知っている限りそんなものはなかったな」

 左之は腕を組み考えている様子だった。

「そっか。最近私も行ってないなー」

「楽しいか?」

「うん。癒されるよー。動物いっぱいで見て回るだけで何時間も居れる」

「ほぉー」

「・・・左之、今度落ち着いたら行ってみようっか?」

「いいな。あぁ、行こう」

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