幽霊の思い出話

 翌日、俺たちは召集をかけられた。

 多分残っている芹沢さん派のことだろうと、容易に想像がついた。

「おはよう。実は会津藩より命が出た。・・・処分せよとのことだ」

 近藤さんは、少し俯いた顔で短く言った。

「処分せよって」

 平助が小さく呟いた。

「そのままの意味だ」

「その大義名分は?」

「暗殺で済ませるんだ。そんなものはない」

 土方さんがそう言うと、今度は近藤さんが答えた。

「そう、暗殺で済ませる。だが、今までの素行問題により、会津藩は面目を潰されたと言っている」

「じゃあ、それが大義名分ってことで」

 総司が話をまとめた。隣に居た斎藤も、こくんと頷いていた。

「芹沢派の幹部を根絶やしに出来る機会だ。心していくぞ」

「はっ」

 
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