幽霊の思い出話

 招集後、近藤さん、土方さんの思案を聞き、数日後に行う暗殺計画の手筈を整えた。

「今回は、土方、山南、沖田、原田、永倉で行う。ここに居る残りの者は私と共に普段通りの行動を取って貰う。怪しまれないようにするためだ。残りの者も手を抜かぬよう」

「はっ」

 この場に居た全員が大きく頷いた。

 思うことは一つ。この新撰組に局長は二人もいらない。芹沢派を排除し、近藤さんをこの組の長にするんだ。

 きっと会津藩の松平公はこれを利用したんだろうな。自身の身辺者を使わず、同じ局内での派閥を利用し、自分の手駒としては扱いにくい芹沢さんを排除してもらおうと・・・。

 そうすれば、自身の名に傷が付くこともなく、近藤派にとっても自分たちがここを取り仕切れる。お互いにとって、良策だ。

 いい手駒だな。俺たちは。
< 242 / 279 >

この作品をシェア

pagetop