幽霊の思い出話
嵐の前
「近藤さん、遊郭の一角を手配してきました」
招集した翌日、俺と新八は宴会場の確保をしに行った。
「ご苦労だった。芹沢さんたちに、近々、会合を含めた慰労会を行うと伝えておいてくれ」
「分かりました」
「行こう、左之」
「あぁ」
新八とともに、芹沢さんの元へと向かった。
計画が見抜かれぬよう、分担し、普段通りを装い行動する。裏では着実に事が運ぶよう手筈を整えた。
遊郭での会合なんて、定期的にあったものだったため、伝えに行くと、芹沢さんたちは何の疑問も持っていないようで「酒が呑めるな」とにんまりしながら話していた。
「なぁ、新八」
「どうした?」
「俺たちこれで、いいんだよな」
「なんだ、珍しい。迷っているのか?」