幽霊の思い出話
「迷っている・・・。そうなのかも知れない」
新八のふいな言葉に驚いたが、不思議と納得した。
「そうか。俺もだ」
「新八も?」
「あぁ。あの人は、確かに問題の多い人だ。邪魔だと感じることはある。だが、人をひれ伏させる力、頭の回転、戦術、何にしてもあの人は要領がいい。惜しいと思うんだよな、人として」
「そうなんだよな・・・。もっとお互いに良い立ち位置ってもんがあったんじゃないかって思っていしまってな。こんなこと思ったらいけないんだろうが」
そういうと新八は俺の肩をぽんぽんと叩いた。
「左之のそういう考え嫌いじゃないよ」
「ありがとう。まぁ、仕方のないことだ。考えるのはやめるよ」
「あぁ。それが賢明だ」