幽霊の思い出話

「ところで、近藤さん。他に何かすることはありますか?」

「いや、ある程度手筈は整っただろう。あとは、成功させることだ」

「そうですか」

 成功させること・・・。俺たちにはそれしか道がない。

 ここで芹沢さんたちをこのままにしていれば、会津藩が黙っていないだろう。

「じゃあ、他に何かあったら声をかけてください。行こう、左之」

「あぁ」

「あ、俺も行くよ」

 そう言って総司もついてきた。

「どうした?総司」

「え?何もないよ。俺がついてきたからって不審がらなくてもいいでしょう?」

「いやいや、不審に思ったわけではないけどさ」

 新八が言葉に困って、俺の方を見た。

「あはは、分かってます。冗談ですって」

 そう言って、総司は笑っていた。
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