幽霊の思い出話
「総司、左之」

 ひそひそと、小声で新八が話しかけてきた。

「どうなった?」

「芹沢さんと平山さんたちは八木邸で飲み直すんだとよ。お梅を呼んでいるらしい」

「気心しれた人間と飲みたいってわけですか」

 お梅とは芹沢さんの愛妾だ。新撰組の羽織を作った店の者だと聞いたが、詳細は俺は知らない。だが、何度か二人を見かけたが、雰囲気は夫婦のように見える。

「じゃあ、八木邸で決行だな」

 総司と新八はこくりと頷いた。

「俺たちは少しずらして戻るよ。総司はどうする?」

「土方さんと戻ります。向こうの動向が分かった方がいいでしょ?分かり次第伝えます」

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