幽霊の思い出話
「・・・左之」

「悪いな、真沙美。聞くに耐えない話だっただろう?寝れなくなってしまったな」

 私は首を左右に振った。

「ありがとう、左之。しっかりと明日供養しよう」

「ははっ、あぁ、そうだな。謝罪しなくちゃいけないな」

 左之は寂しげな笑顔で私を見た。

「こんな風に真沙美に話して、ちょっとすっきりしている。ありがとう」

「ううん。私こそ嫌なこと思い出ささせて、ごめん」

「いや、あの当時を見つめ直すいい時間になってる」

「話の続きは?芹沢さん亡くなったあと、バレなかったの?」

「あぁ、この時はバレずにすんだから、変死ということにして、新撰組が取り仕切りながら葬儀をしたんだ。八木邸のすぐ近くの壬・・・、あっ」
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