幽霊の思い出話
「うーん」
精一杯伸びをしてから立ち上がった。そして柵に手をかけ、左之の後ろ姿に声を掛けた。
「左之会いに行こうよ、皆のところに。それから左之の故郷に行こう。見せてよ、左之の生まれた町をさ」
連れていってあげる、左之。だから切なそうな声はやめて笑ってよ。
私の言葉に、驚いた顔をして左之は振り返った。
「な、何言ってるんだ、真沙美」
「こうやって出会えたんだもん、さ迷ってるだけはもう飽きたでしょ?それに、私に憑いたのはそういう願いもあったんじゃない?」
そう言うと柵をすり抜け、私の隣りに左之は立った。