幽霊の思い出話

「・・・はっ?」

 思わず素の声が出た。

「はっ?とは失礼な奴だな」

 目を細め、私を見た。

「いやいや、だって新撰組なんてとっくの昔に無くなってるし、その時の人たちだって死んで・・・」

 自分で言いながら気が付いた。

「そう。死んだからこうして幽霊になってるんだ」

 あまりにもしっくりとくる理由だった。

「そうなんですか。・・・それで私に何か用事ですか?」

 目の前にいる彼を見るのに少し慣れてきたのか、普通に話せるようになってきた。何故この人を見ることが出来るんだろう。
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