幽霊の思い出話
「あれ?真沙美どうかした?」
「神木さん、いや、オーナー。わがままなことだとわかっているんだけれど、聞いてくれる?」
「何?」
「クビ覚悟でお願いします。無期限で休ませて下さい」
勢いよく頭を下げた。
「なっ、真沙美」
神木さんよりも早く、私についてきて側に居た左之が話しかけてきた。でも、今は左之のことは無視する。神木さんの前で反応したら変に思われる。
「何か問題でもあった?」
「ううん、やりたいことがあるの。今やっておかないと後悔する。だから、お願いします」
神木さんの顔を見ることなく、更に深々と頭を下げた。反応がなくてドキドキする。