幽霊の思い出話
「えっ、そんな」
そのまま店長は走って神木の居る部屋へと向かった。
「真沙美さん、帰ってくるんですよね?」
「神木が許してくれたらね。いつになるかはまだわからないけれど」
「待ってますから、絶対帰ってきてくださいよ。あの人が許さなかったら別れるって脅しますから」
そういって愛華はとっておきの笑顔を見せてくれた。
「あはははっ。ありがとうね。じゃあ、面倒な奴がくる前に行ってくるね」
「いってらっしゃい、真沙美さん」
にっこりと笑った愛華を見たあと、店を出てエレベーターに乗り込んだ。