幽霊の思い出話

「いいんだ。言いたいだけだから。それとさ、いつ俺の声が聞こえなくなったとしてもおかしくないだろう?」

「確かに分からないものね」

「だから何か反応するようにしてくれないか?」

「反応出来ないときには何かしたらいいってこと?」

「あぁ」

 確かにそうかもしれない。左之のいうことに頷いた。

「わかった。じゃあ、話しかけられても反応出来ないときは、耳に髪の毛をかけるよ。どう?」

「よし、わかった」

 これが二人の合図。ロングの茶色の髪の毛を耳にかける、それが私たちのサイン。

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