幽霊の思い出話
出発
翌日、目が覚めたら左之はまたベランダから街を眺めていた。
声は掛けず、化粧をすませ、先日の旅行バックより、一回り大きいバックを持ってきて服等を詰めた。
左之を連れていくなんて思ったものの、新撰組について何も分かってない私にはこの旅がどれくらいかかるかなんて分からなかった。
着替えを済ませようと部屋着を脱ぎ、別の服を着ようとした瞬間、視線を感じ振り返った。
「ちょっ」
「うぉっ」
左之が腕組みをし、驚いた顔をしていた。
「人の着替えを見ないでよ」
「昨日下着のまま出てきたからいいのかと思って」
にこっと笑う左之。