幽霊の思い出話
「いいわけないでしょ。ほら、着替えたら行くから玄関で待ってて」
「おっ、行くのか?よし、玄関に居る」
聞き分けよく、玄関へと行った。
左之は生きていた頃、こうやって女の人に怒られていたに違いない。一人で勝手にそんなことを考えていた。
着替えが終わり、すぐさま玄関へと向かった。
「ねぇ、左之。どこから行きたい?」
「んー、そうだなぁ」
そう言って腕を組んだまま、左之は考え始めた。その間に靴を履き、玄関を出て鍵を閉めた。