幽霊の思い出話

「あったよ。左之、とりあえず覗くのやめて。視界が歪む」

「悪い、悪い」

「そういえば決めてなかったけど、会いに行くのは思い出の場所とか元々居た場所にするの?」

 車のエンジンをかけ、ナビを起動させた。

「いや、死んだ場所に行きたいんだ。もしくは墓でもいい。もしかしたら俺みたいにこんな風になってるかも知れないだろう?」

「確かに。それなら会える可能性があるかも知れないね」

 左之の言葉を聞いたあと、「近藤勇の最後」と検索した。
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