愛染夢路



「私、先生のことが…好きです。…でも先生は私のこと嫌いですよね?」



え?というような困った顔をした。



「私…メーワクをかけたくないんです!私は先生のことが好きでした!」



逃げ去ろう、と思った瞬間…



―バッ―



「え?!な…なんで…すか!!?」



先生の匂いが鼻につく。


「誰がお前のこと嫌いって言った!?」



嬉しかった。



でも――――

「ありがとうございました」


ポンっと体から離れた。

「好きでした」

右手に持っていたちょこ消しを先生のポケットに入れて




うっすらと涙を浮かべて歩き出した。



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