愛染夢路
「あっごめんな!高原…俺、重たいだろ?」
いつもどおりの『高原』に戻っていた。
「あ…大丈夫ですよ…」
すくッと立ち上がったと同時にシャッター音が聞こえた。
―ガララッッ―
「…弥生…そー言うことだったのかよ!」
天宮が教室に入ってくるなり先生を睨んだ。
「…マジウゼェ…教師のくせに浮気かよ」
低く、小さく叫ぶようにして言った後、天宮は教室を飛び出した。
「待って!!」
好きじゃないのに…何か分かんないけれど追いかけてしまった。
なんか…恐かったんだと思う。