愛染夢路


「やられたって…こっち?」

私は殴る真似をした。愛は首を横に振った。




「じゃぁ…」

それ以上は何も言わなかった。

昨日の帰りに呼び出されて…




無理やり車に連れ込んだと言っていた。



「…サイッテ―…」

それだけしか私には言えなかった。



「今日の帰りにも、って言ってたみたいなんだよ?」



どぉしよぉ、と言って夏菜は激しく泣いた。



「うちらが助けてやる!」

「でも…」

「私が代わりに行ってやる!」



怖いけど…夏菜がそれで大丈夫なら良かった。



「私は証拠写真を撮るね?」


愛も手伝ってくれる。



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