愛染夢路


なんとか授業は頑張れた。

重たい頭を必死になって先生のほうへ向けていた。


自分に『大丈夫』、と言い聞かせて…

トイレに行こうと廊下にフラフラと出た。




―ドンッ―




「いったぁ…」

「大丈夫かぁ?」

そこには島津先生がいた。


入学してからすぐぶつかった…同じ場所…に。



「あっ…すいませ…」

それからはよく覚えてなかった。
目の前が真っ暗になったから。




ドス…


      ・ 
      ・
      ・


「ごめーん弥生…って、え!?先生…弥生どうしたんですか!?」



「何か…急に倒れて…保健室って今日は開いてないんだよな?親はいるのかな?」 


「弥生の両親、今日から出張だって…」


「しょーがねーなぁ…俺が家に送ってやるか!!愛、今日は帰ってな?」



「はいっ」





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