今宵、最後の一杯を…
マスターはすっきりとした甘い顔により一層の甘味を加え
糖度だっぷりな笑顔を浮かべた。
ドギマギする私をよそに、カウンターから出てきたマスターは
ゆっくりと横に腰掛て
「これが今宵、最後の一杯だから、後は俺に付き合って…。」
「つ、つ、付き合うって?」お腹痛かったんでしょ?
と慌てる私をよそに…
「嘘…今日は二つ付いたけど、後でそのことについてはゆっくり言い訳させてとりあえず…。」
そう言っていきいなり強く抱き寄せられた。
「俺の店で他の男についていこうとするなんて…お仕置きものだね…。ちなみにさっきの男は俺の友達だ…。」
何がなんだか分からずに混乱する…マスターの少し強張った顔…
そこに…明らかな嫉妬の色を感じとっていた…。