今宵、最後の一杯を…

 切れ長の大きな瞳…
 
 それ以外のパーツは全て小ぶりで…

 やわらかそうな髪…

 少し失礼だけど…どちらかというと、女の子っぽい
可愛らしい顔だなと思って眺めていた。

 いつもは、その指先にばかり気を取られていたから
知らなかったよ…。

そう…マスターは、美保が好きな男の人らしい手をしていた…。
 
 「手フェチ」とまではいかないはず?だけど
顔よりも先にその手が気になるのは…

「腕フェチ」だからかな?その手の先に伸びる腕が
どういうラインで、筋肉の付き方とか

硬さと肌触り…肩のライン…どうしようもなく
確かめてみたくなる…。

 指は細めで適度に日に焼けていて血管が浮き…

 清潔に切りそろえられた爪…

 繊細な動作を綺麗にこなすけど、大きくゴツゴツとしていて…

 …とてもセクシーだ……。

 ただ今日までそれ以上の感情を抱かなかったのは
その手が作り出してくれる

先にある「カクテル」に心が奪われていたから…。

< 14 / 46 >

この作品をシェア

pagetop