今宵、最後の一杯を…

 じらされているようで欲情ばかりが浮かび上がる…

 体の芯に灯った熱を逃がしてほしいと

 白いシャツの胸元にしがみ付いた。

 すがるような目で見つめると…唇をゆっくり離して…

 「どうしたの?Kissだけで我慢できなくなった…?」

 ひどく冷静な言葉とは裏腹な…

 欲情と執拗を孕んだその瞳にぞくりとした。

 この瞳の色はよく知っている…あいつと同じ…強引で残酷な…。

 本能的にヤバいと思った…。

 「ごめんなさい…帰りたい…の…。」
上がる息を整えながら、目をそらす。

 「それは、無理だね。こんだけ煽っといて…黙って喰わせろ…。」
 
 
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