今宵、最後の一杯を…
 
 あいつに、愛されていたと感じれた頃の記憶が甦る……。

 お前のことなんか、嫌いになったと言って欲しかった…。

 心はとっくに気が付いていた…

 あいつの執着は「愛」じゃなくて…「所有欲」だって…。

 それでも愛してた…この体も…この心も…ただあいつに夢中で…。

 願いはただ一つ…ずっと側にいて…私を見て…

 あいつの瞳に映る景色の端に、少しでもこの姿を…

 失恋…最初からあいつの内に恋心なんてなかった…

 結局…恋を失ったのは私だけ…。

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