今宵、最後の一杯を…

 呼吸をするのを忘れるぐらい、体中を走り抜ける痺れ…。

 耳を犯す獣の声…快楽だけに研ぎ澄まされていく体は
真っ直ぐに求め…懇願する…。

 「やっ…あ…あっん…う…うう…ん…。」
 
 零れる涙…漏れ落ちる嬌声…全部…壊れてしまえばいいと……。

 早くなっていく動き…悲鳴にも似た鳴き声があがり…

 「限界…美保…いくよ…。」

 低く甘い声が…腕が…次にうける衝撃を受け止めた。

 永遠に感じるほど、内側で続く脈動を受け止めながら…

 真っ白に弾け飛び、薄れていく意識の底で…囁かれた…

  
「ーーー愛してる。」

 
 愛されたいと思う願望が生み出した幻なのか…?


 それでもいいーーあたたかいーーー。


 
 涙が一筋零れて…そのまま…意識を手放した…。

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