今宵、最後の一杯を…
「美保とは、遊びのつもりだったけど…このままいくとヤバいな…。」
あの夜…君の男は、カウンターに座って友人と飲んでいた。
「何で?美保ちゃん可愛いし良い子だからいいんじゃない?」
「だから…まずい…俺は、一人の女だけに愛情を注いで、その女がいれば他はいらないなんて、綺麗な生き方ができるタイプじゃないからな…結婚は、もう一人の女として適当に抜きながら、生きていく…。」
「それ…かなりひどいだろ…。じゃあせめて早く別れてやれよ!」
思いきりあきれた顔で友人が言った…同感……。
「いや…あいつはこう…欲を引き出すのが上手いっていうか…正直…あの体を手離すのが惜しいんだ…誰にもやりたくない…。」
「それを「愛」っていうんじゃないのか?」
息を呑む…。
「違うな…「執着」「執拗」そういった暗い感情だな…「愛」みたいに陽のあたる場所のようなやわらかな感情じゃない…。」
投げやりに返事が返され…