今宵、最後の一杯を…
あいつから漂う香水…「シャネル エゴイスト」…
その自己主張のある個性的な香りが、華やかなエゴを纏う男の
それと重なる。
マンダリンの軽さからオリエンタルなものへ移り
それがラストのバニラでセクシーな香りに変化する…。
それは…あいつの素肌に見事なほど似合っていた…。
私がつける「クロエ」では、圧倒的なその存在感を前に
跡形も無く消し去られる。
ただ…それがなくなった今…私の香りは、いつも包み込むように
側にあり続け…安心と同時に手に入れた 疼くような渇きを持て余す。
その硬く獰猛な体に組み敷かれ、時の流れる感覚を手放し
抗うことを諦め欲望ののままに…。
愛を請う夜を…足枷のようにはめられた、繊細な細工のある
細いプラチナのアンクレットは、今もまだ左足につながれたまま…。
奴隷のようにうつろな眼差しを向け
主であるあいつの鋭い眼差しに服従する…。
そして今でも…だだひたすら、あいつの全てで
罵られるように抱かれたいと…。