今宵、最後の一杯を…

 「この手…この腕も…形が良くて、あたたかいから好き…。」

 パーツだけでも、とりあえず好きになってもらえてるようだね…。

 「パーツだけじゃなくて、全部好きになってね…。」

 おでこに軽くKissを落とす。

 始まった恋の行方は、分からないけど…

 熱い感情が脈打つこの心を、君に捧げる…。

 
 シャワーを浴びて、さっぱりした美保は俺と同じ
柑橘系の爽やかな香りがした。

 余裕のなさを押さえ込んで、一つ一つを確かめるようになぞっていく。

 歓喜、焦がれ、理解されたいと願う…少しずつでよいから愛して欲しいと…。

 
 その体と心に全てを書き残しておきたいと刻み込んだ。


 
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