そこにいて笑ってて
そこでふと、俺は思った。



あいつは自分のどこが嫌いな訳?



あいつ、人気者だし、モテるし、
頭良い(らしい)し、運動神経いい(らしい)し、
別にダメなとこなくね?


あっ、目が一重なとこか?

でも、一重っつっても、目ぇ十分デカいじゃん。

胸が小ちゃいとか?

でも小ちぇーとか思った事ねぇぞ、俺は。

実は家庭がいろいろ‥‥みたいな?



いろいろ思いついたけど、
どれもしっくり来ない。


俺があーでもないこーでもないと考えていると、
百合が目を覚ました。


「ごめん、あたし寝ちゃってた?
 ここんとこ寝不足だったんだよねー」

寝不足のくせに俺を遅いに来るんじゃねぇ。



そう思った俺は、黙って屋上を出た。
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