そこにいて笑ってて
「じゃあ‥‥
 なんでキスなんか‥‥」

「ごめん。
 これで、あきらめて」



そこでふと、俺は気がついた。



バタン!



出て行く琴ちゃんの背中を見送りながら。



俺は思った。




俺の口が勝手に動いたのなら‥‥

俺があいつの事好きじゃないのなら‥‥


俺はなぜ、否定しなかった?

俺はなぜ、琴ちゃんを引き止めなかった?




あぁ‥‥

そっか。




俺の口が勝手にしゃべった事は、

間違ってねぇんだ。
< 23 / 42 >

この作品をシェア

pagetop