そこにいて笑ってて
「ねぇ、あたし‥‥

 キスされちゃったぁ♪」


キーン。

琴音は小声で話したのに、

大きな声で話された時のような

耳鳴りがする。



「しかも、ディ・ィ・プ★」



わかった。わかったから、

もうそれ以上言わないで。



「襲われそうになったからぁ、

 『また今度』って言ってぇ、

 逃げてきちゃった♪」



黙って。黙って。シャラップ!


なのにあたしは、笑顔を見せる。


「よかったじゃん!
 両思い★」
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