そこにいて笑ってて
「あたし、高校入ってきたときから、

 ずっと、ずーっと、

 穂高くんが‥‥

 好きだった。」



急にあなたは、あたしの手を引いた。

あたしはすっぽり‥‥

あなたの腕の中。



「でもあたし‥‥

 誰かが穂高くんを好きって言う度、
 苦しくて。

 その誰かが穂高くんをあきらめる度、
 最悪だけど‥‥最低だけど‥‥

 安心してた。」



あなたの腕の力が強まる。



「あの時‥‥
 穂高くんと初めて話した日‥‥
 泣いてたのはね?

 琴音に、自分の正直な気持ちを言わずに、
 いい人のフリして、
 応援してる偽善者な自分が嫌になって。」
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