[【殺人ゲーム】クリック!]
すぐに、俺は曲がり角の壁に背を預けた。
リキを見下ろす人物が居たからだ。
そっと確認する。
…これが例の危険人物?
まさか。
こんな…、有り得ない。
見たところ15、6の華奢な少女。
短い前髪に、大きなパッチリとした、光の加減で宝石のように七色に輝く目。
長いまつげ。
透き通るような白い肌。
淡い金色の、ウェーブがかった美しい髪。
ひょろい美少女。
こんな奴に、リキは負けたのか?
有り得ない。
ラストR候補にまでなるリキが。
ラストR程のものを蹴るリキが。
こんな、女に…?
奮える拳は止むことを知らない。
それに耐え、再び様子を窺う。
『!』
少女が顔を上げ、こちらを見ていた。
ドックンドックン、高鳴る心臓
命が惜しい。
タラリヒヤリ、冷や汗が流れる。
親友が殺された場面に遭遇しても自分は死にたくないなんて…、俺は薄情者だな…。
俺は自嘲気味に笑った。