[【殺人ゲーム】クリック!]


すぐに、俺は曲がり角の壁に背を預けた。


リキを見下ろす人物が居たからだ。


そっと確認する。


…これが例の危険人物?


まさか。


こんな…、有り得ない。


見たところ15、6の華奢な少女。

短い前髪に、大きなパッチリとした、光の加減で宝石のように七色に輝く目。

長いまつげ。

透き通るような白い肌。

淡い金色の、ウェーブがかった美しい髪。

ひょろい美少女。


こんな奴に、リキは負けたのか?


有り得ない。


ラストR候補にまでなるリキが。


ラストR程のものを蹴るリキが。


こんな、女に…?



奮える拳は止むことを知らない。


それに耐え、再び様子を窺う。


『!』


少女が顔を上げ、こちらを見ていた。


ドックンドックン、高鳴る心臓

命が惜しい。

タラリヒヤリ、冷や汗が流れる。


親友が殺された場面に遭遇しても自分は死にたくないなんて…、俺は薄情者だな…。


俺は自嘲気味に笑った。


< 113 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop