[【殺人ゲーム】クリック!]
グドッ
鈍い音がして、ズブリと刃が友里亜の腹部に沈み込む。
カッと目をかっ開いた友里亜が、その目で確かに自分を見ていた。
タラリ、と汗が流れるのを感じる。
それをパッと拭い、携帯画面を見つめ直す。
友里亜の口が、パクパクと何かを語る。
シバシバとまばたきを数回 不規則に繰り返し、友里亜はズルリ、と体を倒した。
〈凶器はどうしますか?〉
凶器。
持ち帰れば厄介なことになる。
処分するにしろ、場所を選ばなければならない。
しかし、しまったことに、手袋をしていない。
彼女の腹部に刺さった包丁の柄には、べっとりと自分の指紋が着いていることだろう。
…いや、ゲームなのだ。
そんな細かいところまで…
いや、ゲームだとしても、だ。
明らかに、普通のゲームではない。
亜季はゴクリと喉を鳴らすと、〈持ち帰る〉を押した。