[【殺人ゲーム】クリック!]
疑念


『ラストRは、まだ姿を現さないのですか?』


『…ああ。』


先程の、哀歌、瞬、瑛貴のやりとりを見ていた二人は、ようやく気配を解いて口を開いた。


『厄介ですね…、このままラストRが現れないとなると…』


『俺達の抗争が始まらない。』


彼をチラリと横目で見ると、紅は静かに口を開いた。


『…いいえ。違うでしょう?真輝。問題は抗争ではなく、私達の真の目的が達成出来ないことです。』


ビュオッ!強風が、彼の漆黒の髪を揺らす。


『…そうだな。』


遠くを見つめる真輝の横顔を、紅も、何も言わずに見つめていた。


< 156 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop