[【殺人ゲーム】クリック!]
疑念
『ラストRは、まだ姿を現さないのですか?』
『…ああ。』
先程の、哀歌、瞬、瑛貴のやりとりを見ていた二人は、ようやく気配を解いて口を開いた。
『厄介ですね…、このままラストRが現れないとなると…』
『俺達の抗争が始まらない。』
彼をチラリと横目で見ると、紅は静かに口を開いた。
『…いいえ。違うでしょう?真輝。問題は抗争ではなく、私達の真の目的が達成出来ないことです。』
ビュオッ!強風が、彼の漆黒の髪を揺らす。
『…そうだな。』
遠くを見つめる真輝の横顔を、紅も、何も言わずに見つめていた。