[【殺人ゲーム】クリック!]
抗争の幕開け
ゾワッ…、後頭部から悪寒がじわじわと広がっていく。
嫌な感じ。
亜季は前髪を掻き上げ、浅く溜め息を吐いた。
「亜季。」
「………………。」
「亜季!!」
精神(ココロ)が大きく揺さぶられたような感覚。
中身を引き戻された感じ。
「…な、何?」
「何じゃないわよ!さっきからずっと呼んでるのに!」
仁王立ちの母が、腕を組んで睨んでいる。
「ごめん…気付かなかった…。」
「あなた…最近変よ?毎日のようにバカバカ食べてたお菓子も、最近全然食べなくなったし…少し痩せた?」
「ダ…ダイエットしてるの!」
言われてみればそうだ。
殺人ゲームにハマってから、お菓子は随分とご無沙汰だった。
「携帯にかじりついてばっかり…。一体、何にそんなに夢中になってるのよ。」
スッと、母の手が携帯に伸びる。
「触らないで!!」
バシッ!母の手を払い退けてしまった。
「亜季…あなた、やましいことでもしてるの!?まさか、出会い系サイトなんかやってないでしょうね!?」
頭に血が昇る。
なのにどこか冷静で。
嗚呼、何かが終わりだと。
心の隅っこで思った。