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死の旋律
BANISHがアジトとしている古城の庭で、哀歌は物思いに更けっていた。
次々と集まってくる小鳥達を手や肩に乗せながらも、心元無い様子である。
バサバサバサッ‥
突然、小鳥達が一斉に飛び立っていってしまった。
『…小鳥さん達には悪いことをしてしまいましたね。』
柔らかい口調で紅は言った。
力無さげに哀歌が振り向く。
『…哀歌、どうしました。』
『…いや、何でもない。』
一瞬間を置いて、哀歌はゆっくりと立ち上がった。
心配そうに見つめる紅の視線を受け、今度はちゃんと目を見て付け足した。
『抗争を前に、集中力を高めているだけだ。』
そう言うと、哀歌は長いコートを揺らしながら城の中へ入っていった。