[【殺人ゲーム】クリック!]
『泉水ちゃん‥』
笑顔の胡散臭い女だった。
…いや、純粋過ぎて。
無垢過ぎてそう思っただけかもしれない。
その女は俺をちゃん付けで呼ぶ。
ほのかに香る甘い匂いが、俺の鼻先をくすぐった。
『泉水ちゃん‥素敵よ。
とっても似合うわ。』
にっこり微笑む女を見上げた後、俺は足元に擦り寄ってきた猫に視線を落とした。
『ナァ〜ン‥』
猫の姿は尻尾しか見えない。
俺の目に映るのはヒラヒラのドレスだ。
金で縁取られた大きな鏡を見る。
そこには、俺の肩を抱く母親と、女の子が着るはずのワンピースドレスを着た俺が映っていた。