[【殺人ゲーム】クリック!]
「朝陽‥お願い、助けて‥」
声が震える。
今まで全て自分一人で判断し、行動してきた。
その強さは単なる強がりだったのだろうか。
朝陽という心の拠り所を見つけ、一気に弱くなった気がした。
「亜季、どうした?
何があったか言ってみな?」
朝陽の瞳を見る。
真っ直ぐで、力強い。
揺れているのは自分の瞳だけだった。
もう【リアル】から逃げてはいけない。
…殺人ゲームは確かに現実だ。
しかし、本当の【現実】からあたしは逃げていた。
逃げた結果、殺人ゲームという【二次元リアル】に巻き込まれてしまったのだ。
…今、自分が生きている世界。
【現実世界】を見なければ。
堅く目を瞑り、深く息を吐く。
次に目を開けたとき、もう迷いや弱さは無い。
スッと目を開ける。
「…あさひ?朝陽っ‥!!」
頭がショートした。
そこに朝陽の姿は無く、代わりに紅い文字で『Danger』と書かれた漆黒のカードが落ちていた。