[【殺人ゲーム】クリック!]
「亜季。」
「真輝、真輝!助けて!朝陽がっ‥!」
「落ち着け亜季!朝陽なんていねぇよ!!」
思考が、停止する。
頭の中を、何かが渦巻く。
「朝陽が‥いない‥?」
そもそも此処は現実世界なのか、それともゲームの中なのか、もはや分からなくなっていた。
今の今まで居たはずなのは、朝陽のいる現実世界。
朝陽が消えたのは、現実‥?
既にゲームの中だったのだろうか。
真輝が居る、ということは今はゲームの中。
中…
ゲーム、の、中‥?
おかしい。
何故。
いつから。
いつからあたしは画面越しにではなく、自らがゲームの世界へ入り込んでしまっていたのだ‥
一体、いつから。
「亜季、朝陽って誰だよ。」
真輝の問いにも答えずに何かを考える亜季に、真輝はじとっ‥と窺うように亜季の姿を見つめていた。