[【殺人ゲーム】クリック!]
父には、弟はロルフェンで一人暮らしを始めたと聞いた。
私は何も疑わなかった。
愛する父の言葉を、何の疑いも無く信じていた。
私は寂しさから、弟の手紙を何度も何度も読み返していた。
「哀歌、行ってくるよ。」
「いってらっしゃい。」
その日は父が城の地下へ行く日だった。
弟が来ていた日だ。
寂しくなって手紙を手に取る。
ぼぅっと、ただぼぅっと手紙を見つめていた時だ。
「に‥げ‥ろ‥?」
ドクン!
心臓が高鳴る。
━━見テハ イケナイ━━
脳が危険を知らせるかのように鼓動が脈打つ。
『逃げろ 父はお前を殺す気だ 地下に秘密あり』
ドクン!
全ての音が消えた。
気が付くと、私は決して踏み入れてはならぬ禁断の領域に、静かに立っていた――‥