[【殺人ゲーム】クリック!]
『さよなら、亜季。』
目にも止まらぬ速さでトランプが投げられる。
携帯を握り締めながら、亜季は思わず目を瞑った。
カッ…、音がして、恐る恐る目を開ける。
「ま…き…?」
亜季の眼前には、真輝の背中があった。
苦痛に歪んだ笑みを見せながら、真輝は振り返る。
「真輝っ!腕がっ…!」
真輝の腕にはトランプが刺さっていた。
恐ろしい切味に、血さえ出ていない。
「やだっ…!どうしよう…!!」
『大丈夫だから…。』
そう言いながらも笑顔が歪む。
『…貴方も死にたいの?』
少女の楽しそうな声が聞こえる。
『…亜季は電柱に隠れてろ。』
そう言い残したかと思うと、真輝はトランプが刺さったまま、ゆっくりと雨希に近付いていった。