[【殺人ゲーム】クリック!]
瑠樹の言葉を合図に、アスファルトから煙が立ち上った。
『…あらやだ。可愛い仔猫ちゃんねぇ…。』
凪がポカンと呟いた。
煙の中から現れたのは、大きな大きな虎であった。
グルルル…、唸っている。
頭を低くし、ゆったりと歩き回る様はなんとも迫力がある。
「…ねぇ。あの虎…あたし達を襲ってきたりは…しない…よね…?」
急に不安になった亜季は小声で尋ねた。
亜季の問いに、瑠樹は苦笑しながら振り返った。
『それが唯一の弱点なんだよね…。』
「ぇ゙え!?」
『自然界の猛獣ってさ、自分達の必要な分しか狩りしないの。
だから、狩りを遊びで楽しむ子どもから若い虎までしか、戦いでは使えないって訳。』
「…それで?」
『…つまり、ずっと同じ虎は使えないから、いちいち飼い馴らす必要がある訳で。…言うこときかないリスクもある訳で。』
『ちょ…、何か俺らの方、睨んでね…!?』
真輝の言葉に、その場に居た全員が凍りついた。