[【殺人ゲーム】クリック!]
「考えてみろ。今までの聞き込みで応えた奴ら。」
「…別に普通でしたけど。」
「そう、“普通”だ。
本当にクラスメイトなのかと疑う程に、奴らはクールだった。」
「あ、あぁ…、確かに…。」
「あのお嬢ちゃんは、演技をしてた。…何か知ってるな。」
ニヤリ、右斜め上を見て、笑う。
そんなベテラン刑事の横顔を、へっぽこ刑事はまじまじと見つめていた。
「それにな、神尾 流の犯行ではないという可能性もちゃんとある。」
「何ですか?」
「仏さんの向きだよ。」
「遺体の…?」
訳が分からないとでも言うような顔のへっぽこ刑事に、ベテラン刑事は説明する。
「首の跡から、後ろから縄で締め付けられた可能性が高いという結論が出たのはお前も知ってるな?」
コクリと頷く。
「しかし、仏さんは仰向けで亡くなっていた。
うつ伏せで殺しておきながら、わざわざ仰向けにする理由が無い。」
「偽装工作の線は?」
「誤って殺害したのなら、そこまで頭は回らないはずだ。」
「長年の勘ってやつですか?」
「…まぁ、そんなとこだ。」
言いながら、ベテラン刑事は振り返り、もう一度 亜季の家を見た。