まだ君を愛してる
1階に降りてみると、リビングで朝ご飯を食べている妹がいた。

「あ。おはよう、愚兄。」
「おはよう、愚妹。」

いつものことだ。
挨拶と同じと考えて良いだろう。
コイツもそれなりに兄と思ってくれているはずだから。

俺も朝食を済ませようと、席に着いた。
母親が用意してくれている朝食達にはラップがされている。
母親は朝早くに仕事に行き、父親は俺が小学5年生のときに他に女を作って離婚した。
当然、この家には父親なるものはいない。
母親が一人で俺と妹を育ててきてくれたのだ。

だが、妹も中学3年生で俺も高校に入学してから4年生である。
つまり、留年生を抱えた母子家庭というわけだ。
育ち盛りのわが子を2人も抱えていれば大変なのは当然である。
それでも母としても仕事もこなすのだからすごいと思う。
< 2 / 60 >

この作品をシェア

pagetop