まだ君を愛してる
私は翌日の夕方まで悩んだ。
悩んで悩んで、最終的に本当の私を知ってもらおうという結論に至った。

私は、結論を出したところでチャットにINして彼の部屋へ行ってみた。
彼はとっくにINしていたから、彼が部屋にいなくてもそのうち戻るだろうから。
それまで待てばいい、と考えていた。

だけど、彼は部屋に一人でいた。

「こんにちは、お返事をしにきました。」
「こんにちは、どうぞ座ってください。」

私は、近場の黒いソファーに謎を座らせて本題に切り替える。

「それで・・ですね。」
「はい。」
「現実に会うのはいいんです。・・でも、本当に会うのならば私はあなたに謝らなくちゃいけないんです。」
「なぜ?」
「私は、あなたに隠していることがあるんです。」
「秘密、ですか?」
「そうなりますね・・あ、でも実は男でした!とかじゃないですからね?」
「それはわかりますよ、でもどんな秘密なんですか?」

これを言わなければ先には進めない。
だからこそ、言わなきゃいけない。

「それは・・・」

怖い。
言えない。
言ったら彼はなんというだろう・・?

「謎ちゃん?」
「あ・・はい!」
「言いたくないなら無理しないでいいよ」
「でも・・言わなきゃ先には進めないです・・。」


彼は、少し悩んだようにして「ゆっくり自分のペースで教えてくれる?」と言ってきた。
彼は、本当に優しいんだと心からそう思えた。

私は、彼のいうように自分のペースで彼に秘密を打ち明けていった。
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