まだ君を愛してる
だけど、だれでもそうだろう。
バーチャル世界で嘘をついたところで会うことはない。
自分のカッコのつかないところをさらけ出すより美化した別の人格になりきったほうが楽しい。

だからネットオカマなるものがいるわけで。

「えーっと・・廉さんはどこに住んでるんですか??」
「俺は東京だよ。」
「わぁ!近いですね!」
「え?どこに住んでるの?」
「私も同じ東京ですよぉ。」
「まじで?じゃあさ、池袋のほうって詳しい?」
「私その辺ですよー?おうちー。」
「まじで!?俺も池袋のほうだよ!」
「あらまぁー!これも何かの縁ですねぇ、ぜひ友達登録を。」
「いいですね、よろしく^^」

その日、俺は素敵な女性と知り合った。
アバターの名前は『謎』。
読み方は「メイ」だそうだ。
どこにもナゾといえる要素がないような・・と思ったのは俺だけではないと思う。
とにかく俺はこの子とその日からよく絡むようになった。
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