まだ君を愛してる
そんなある日、メイちゃんが知らない男とチャットで話しているのをみかけた。
よくある光景。
だけど、少し複雑だった。
この男と俺はいったいどれだけ彼女を知っているだろうか？
俺はこの男より彼女を知ることができているか？
そんなことを思ってからふと我に返ってパソコンの前でため息をついた。

「はあ、馬鹿だな俺は。なぁに仮想世界でマジに恋愛しようとしてんだ。」

俺はやってられないというようにパソコンから離れて冷えた麦茶を取りにいこうとした。
だが、俺の目に飛び込んできたのはメイちゃんの発言だった。

『私は今好きな人がいるの。まだ告白もしてないし付き合ってもないけどいずれは付き合いたいなって思うんだ。』

・・・俺は一瞬目を疑った。
メイちゃんは俺がいないと思ってそれを言ったのか？
否。わかってるはずだ。
こんな狭いエリアでわからないはずはない。

きっと、好きな人が最近になってできたんだろう。
チャカノになってほしいなんて口が裂けても言えそうにないな、と一人でぼやいたのだった。

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