天神学園高等部の奇怪な面々29
何で他人の土産にこんなに熱くなるのだろう、この人達。

当の本人が少し狼狽する中。

「ええいっ、グズグズ言っていても始まらんわ」

龍娘が渉の手を引く。

「色々回ってみればいいのだ、四の五の言わずについてこんか、わたるん」

「あ!春夏秋冬てめぇ、何龍娘先生と手とか繋いでんだこの野郎!」

「にゃんにゃん先生、わたるんと馴れ馴れしくしたら駄目ぇっ」

「この中国女、僕のわたるんはんに何許可なく触れてますのん…わたるんはんと兄さんと姉さんに触れてええのは僕だけですのに…ハァハァ…」

混沌とする中、奇怪な面々は人混みを歩く。

この面子が歩くと、自然と人混みがモーゼの十戒の如く割れていくのは必然と言えた。

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